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損害保険料算出機構と被害者請求・事前認定

第1 はじめに

   交通事故で負傷した被害者にとって「後遺障害等級認定」を受けることができるかどうかは、損害賠償額に関わる重要な問題です。後遺障害の等級認定について、加害者側と被害者側で争いがある場合(加害者は14級だと主張する一方で、被害者は12級だと主張するようなとき)、最終的には裁判所が等級に関する判断をしますが、その前提として、自賠責保険における損害保険料率算出機構(以下、算出機構と略する場合があります)の等級認定が求められるのが現実です。

それゆえ、交通事故の被害者にとって、算出機構による後遺障害等級認定を受ける手続を知ることは非常に重要です。認定を受ける手続としては、①被害者自らが行う場合(以下「被害者請求」といいます。)、②加害者の任意保険会社が行う場合(以下「事前認定」といいます。)があり、その違いを知ることは等級認定を受ける上で重要なので、算出機構について概説した上で、①と②に違いについて、説明します。

第2 損害保険料算出機構について

 1 損害保険料算出機構の設立目的と活動内容

   算出機構は、「損害保険業の健全な発達と保険契約者等の利益の保護」という社会的使命を果たすために設立された組織です。主に①自賠責保険の基準料率の算出・②自賠責保険の損害調査・③保険データの収集等を行っており、②の事業の中で後遺障害等級認定を行っています。

 2 認定結果に不服がある場合はどうするべきか?

   当該機関の等級認定に対して、納得がいかない場合には、異議を申立てたり、裁判所に訴訟を提起したりすることもできます。その際、裁判所は当該機関の認定結果に拘束されることなく、後遺障害の等級認定することができますが、当該機関の認定結果を尊重することが多いです(算出機構と裁判所の判断が、わかれた事例については、こちら、https://kawanishiikeda-law-jiko.com/2345-2/ )。

第3 被害者請求と事前認定について

 1 被害者請求

  ⑴ 被害者請求とは、後遺障害申請に必要な資料を被害者が自ら用意して、加害者の自賠責保険に提出する申請方法です。被害者請求の手続の流れは、以下の図を見ていただくと分かりやすいです。

⑵ 被害者請求の特徴は、後遺障害診断書以外の書類を被害者自らが収集し、申請手続を全て被害者が行わなければならないという点にあります。それゆえ、手続申請に関する被害者の負担が大きいというデメリットがあります。

他方で、自ら手続に関与できるため、被害者にとって適正で納得できる等級認定を受けやすくなるというメリットがあります(その他、被害者請求には、過失相殺の制限や仮払いといった被害者に有利な制度も存在します。)。

 2 事前認定

  ⑴ 事前認定とは、加害者が加入する任意保険会社に手続きを一任する申請方法です。事前認定の手続の流れについては、以下の表を見ていただくと分かりやすいと思います。

※ 交通事故証明書については、こちらを参照(https://kawanishiikeda-law-jiko.com/431-2/

⑵ 上の図を見てもらうと分かるように、被害者請求の場合と違い、後遺障 害診断書を相手方の任意保険会社に提出すればよいのが特徴です。被害者は、それ以外の手続に一切関与せず、任意保険会社が資料の収集等を担当してくます。それゆえ、申請手続に追われることがなく、物理的にも精神的にも負担が軽いというメリットがあります。

他方で、基本的に手続き自体をすべて加害者の任意保険会社が行うので、手続が不透明で認定された等級に対して被害者の不満が残りやすいというデメリットがあります。

第4 手続選択に関する考察

   後遺障害の内容や等級の争点が予想される場合、被害者請求を選択することで、より有利な認定を得られる可能性があります。特に、むち打ち症などの神経症状や画像所見が乏しいケースでは、詳細な陳述書や通院状況の説明が必要になるため、被害者側で資料を精査できる被害者請求が適しているかもしれません。

一方、明確な画像所見があり、等級認定が比較的スムーズに進むと見込まれる場合は、事前認定を選択する方が簡便でよいかもしれません。

第5 おわりに

   本稿では、「被害者請求」と「事前認定」について、それぞれの手続の特徴やメリット・デメリットを整理してきました。被害者自身がこれらの内容を十分に理解し、状況に応じて適切な申請方法を選択することができれば、後遺障害等級認定においてより妥当な結果を得られる可能性が高まります。したがって、交通事故の被害者となった場合には、申請方法の選択そのものが等級認定の適正化に直結しうる重要な判断であることを、ぜひ意識しておくべきでしょう。                         

                                           以上

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