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付添慰謝料・通院慰謝料・経済的全損(子供の自転車事故を例に)

1 はじめに

(1)子供は、通院を面倒くさがったりしてしまいがちで、親が一緒について行かざるをえない場合もあります。もし子供だけで診察に行かせることができたとしても、親としては、子供がお医者さんにきちんと説明できているのか、お医者さんからの説明をきちんと理解できているのか等どうしても不安が残ることもあります。また、子供は成長過程にあることから、治療についても時間をかけて様子をみる必要がある場合があります。

  それから、子供の通学用に買ってあげた自転車が毀損した場合に新しい自転車を買い直すだけの賠償を受けとれるのでしょうか(自転車事故の概要については、こちらをご参照下さい、https://kawanishiikeda-law-jiko.com/faq/#a11)。

(2)今回は、そのような事案について、村上新村法律事務所の弁護士が関係した子供が被害者になった事故を紹介することで、付添看護料・通院慰謝料・経済的全損等について、説明したいと思います(逆に子供が事故を起こしてしまった場合は、こちらを参照下さい、https://kawanishiikeda-law-jiko.com/child/

2 事故状況・傷病名・受傷後の状況

 13歳の子が横断歩道を自転車で走行中、横から自動車に衝突された。転倒はしませんでしたが、腰部打撲傷を負い、自転車は全損(修理不能)でした。

 事故後20日ほどしてからの御依頼で、今後は通院を継続するつもりもないとのことでした。既に実施されていた通院の後半の時点においても、自覚症状はなくなっていましたが、慎重に様子を見るために必要最低限の通院をされておられました。

3 付添看護料・休業損害

(1)ご両親が気にされていた点は、子を病院へ連れて行ったことについて付添看護料や休業損害の請求ができないかという点でした。

(2)自賠責基準では、医師が看護の必要性を認めた場合または12歳以下の子供の通院等に近親者等が付き添った場合、親の付添看護料が支払われることになっています。

  依頼者は13歳であったため、請求する根拠として、付添いの必要性についての医師の意見書等が必要となりました。受傷の程度は低く、歩行困難な状態でもなかったところですが、13歳とはいえ成長や判断能力の程度には個人差もありますし、依頼者の親は医師の説明を直接受ける必要性を強く感じておられました。そこで、担当医師は、親が説明を受けるために付添の必要があるとの意見書を作成し、その結果、付添に関する請求が認められました。

(3)なお、自賠責基準では通院付添看護料としては1日につき2,100 円しか支払われませんが、依頼者の親の休業損害のほうが高額であったためそちらの額(8,300円/日)で支払われることとなりました。

4 通院慰謝料

(1)ご両親は通院慰謝料の算定基礎日数についても気にされておられました。

(2)通院慰謝料の計算方法としては、必ずしも通院期間総日数(本件でいえば、20日で通院終了ということなので、20日)がそのまま基礎とされるとは限りません。

自賠責基準としては、[通院期間>(実通院日数×2)]の場合は、(実通院日数×2倍)を算定の基礎にすることとされています。通院期間そのものを用いない趣旨としては、同じ期間通院していたとしても実際に通院している回数が多い人と少ない人とでは精神的・肉体的な苦痛の程度に差があると考えられるからでしょう。裁判実務でも、日弁連交通事故相談センター発行「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」(通称:赤本)を基に実通院日数の3.5倍(むち打ち症で他覚所見がない場合等は3倍)で算定する場合がありますし、交渉段階でも、被害者に弁護士が就くと保険会社が(自賠責基準よりも多い額として)この日数分から提示してくることがあります。

このように算定方法は何通りかあるわけですが、依頼者の最大利益を目指す弁護士としては通院期間総日数で算定することを主張していくことになります。

本件の依頼者は通院期間17日間(実通院4日)でしたから、自賠責基準に照らすと8日(実通院日数×2)を算定の基礎にすることとなります。しかし、子供の成長の程度や回復速度は個人差がありますから、8日間では様子見期間として足りないということを主張し、通院期間17日間の方を算定基礎にすることができました。

(3)ちなみに、損害算定の基礎日数が定まりますと、次は日額がどう決まるかです。

こちらも基準が何通りかあり得ます。最も少ないのが自賠責基準の日額4,300円で、最高額が赤本基準(赤本には、算定表として別表Ⅰ・Ⅱが掲載されています。)になり、その間が各保険会社の用いる任意基準になります(慰謝料・損害賠償の一般的説明については、こちらを参照下さい、https://kawanishiikeda-law-jiko.com/palimony/)。

例えば、むち打ち症で他覚所見がない場合等は赤本基準だと別表2を用いることになるのですが、表は1月単位で基準額が定められています(通院1月だと19万円、通院2月だと36万円、通院3月だと53万円といった具合です。詳細は、画像を参照下さい。)。

端数日数がある場合には、端数分の慰謝料を算出する計算が必要です。例えば、通院35日の場合どのように計算するかといいますと、以下のとおりになります。

19万円+(36万円-19万円)÷30日×(35日-30日)=21万8333円

5 経済的全損

(1)ご両親は自転車の新車を買い直せるかも気にされておられました。

ただ、全損だからといって新しい自転車を買うだけの全額(新車価額全額)が支払われるわけではなく、①修理費用相当額、②車両時価額・買替諸費用のうち低い方が支払われることになります。②が①を下回る状態を、経済的全損といいます。

(2)時価がどのように計算されるかといいますと、資産はその種類に応じて「法定耐用年数」が定められており、その期間に応じて減価償却を行うことになります。例えば自転車の法定耐用年数は2年とされています。依頼者の自転車は購入してから1年経過しておりましたので、定額法償却率をあてはめると事故当時の時価は新車価格の半額になってしまいます。

(3)しかし、依頼者の自転車は中学入学時に購入した通学用のもので、高校卒業までの6年間は使用する予定であったことを主張し、耐用年数を6年に換算した時価額(新車価格の約83%)の請求が認められました。

                                            以上

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